マンションの大規模修繕工事をめぐり、設計コンサルタント会社2社と施工会社36社が談合を繰り返していたとして、再発防止を求める排除措置命令が出された。工事の件数は関東で171件に上っている。マンション管理コンサルタントの土屋輝之氏は氷山の一角に過ぎないと指摘。今回食い物にされたのは、住人が毎月積み立てているマンションの修繕積立金。100戸のマンションなら10年間で約3億円になる。国交省によるとマンションの大規模修繕工事は12~15年周期。外壁の塗装や給排水管の修繕などを行う。工事の費用は小さなマンションで数千万円、大きなマンションで10億円前後。支払いはキャッシュで、工期が非常に短いため資金の回収が早く施工会社にとってはありがたい工事とのこと。発注者は住人の管理組合で、基本的には設計コンサルタントに委託するところから始まる。コンサルタントは住人の相談を受け複数の施工会社を提示する。ここでコンサルと施工会社の間で談合があり、施工会社は約5%のマージンをコンサルに払っていたとされている。その結果、住人にとって割高契約だった可能性があるという。公正取引委員会が公表したマンションの住人を取材すると、最終的には約12億円支払ったとのこと。施工会社を選んだ理由は、大手建設会社の子会社で安心感があったことと、説明もしっかりしていたからだという。マンションの元理事は余計にお金を取られているとすれば本当に許せないと話している。割高契約の住人側のデメリットとしては今後の修繕積立金が減る恐れ、旧な設備の交換に対応できなくなる、災害時の建物被害を予防できない、などが挙げられ、さらに建物の老朽化に繋がる可能性もある。2017年、国交省が悪質な設計コンサルタントがいると注意喚起していたが、今回の件だけでなく今年7月に東海地方で二重数社に公正取引委員会による立ち入り検査が行われる事態となっている。談合が疑われるケースとしては、格安なコンサルタント料金、見積もりの内容・金額が酷似、コンサルタント会社が特定の業者を強く推す、複数の業者が一斉に受注辞退、などが挙げられる。土屋氏は住人側は自分たちの資産をしっかり管理することで関心を持って取り組んでほしいと話した。
