与党が国民民主党との連携を模索して行われる政策協議の焦点が「年収の壁」。年収が増えるほど、税や社会保険料の負担も増える。パートやアルバイトで働く際、給与が年間103万円を超えると、所得税を支払う必要があるため多くの人がこれ以上働くと税金がかかるという理由で長く働くことを抑制してしまい人手不足が解消できなくなっている。106万円を超えるとパート先の会社の規模などによっては、社会保険に加入しなければならず、130万円を超えると、会社の規模に関わらず加入義務が発生し、社会保険料の負担が生じて手取りが少なくなってしまう。150万円を超えると配偶者などの控除額が段階的に減って、世帯全体の負担が増える。国民民主党は、最初の壁を壊し、178万円に引き上げて所得税の実質的な減税を行うと主張している。過去20年ほどの最低賃金の上昇率を考慮した結果という。野村総研。木内登英氏は、103万円の壁の撤廃で1030億円の減税効果と、217億円程度の景気押し上げ効果が生じると試算し、「財政負担が小さく、低所得者支援の政策としては、比較的妥当」と述べている。しかし、玉木代表はさらに幅広い減税策を訴えている。