身寄りのないお年寄りが増える中、身元保証などを行う民間のサポート事業について、契約上のトラブルなどの相談が去年までの5年で3倍以上に増えていることが分かった。静岡市の介護施設で暮らす80歳の女性は施設の入所の際に求められた身元保証人を頼める人がおらず、希望した施設に入所できなかった。女性はその後、身元保証事業を行う社会福祉法人に相談し、事業者に保証人になってもらい別の介護施設への入所が実現した。さらに事業者は、日常生活の支援も行う。ただ、身寄りのないお年寄りの身元保証などを行う民間のサポート事業を巡っては監督する省庁や法律はなく、契約を巡るトラブルが相次いでいる。身元保証などのサービスに関する相談件数は5年で3倍以上に増加。契約や解約に関する相談が最も多いとう。こうした状況を受け厚生労働省などは、事業者が守るべき指針の案を取りまとめ、サービスの内容や費用をホームページなどで表示することが望ましいなどとしている。静岡市は独自に事業者の質の確保に取り組み始め、契約ルールや解約時の返金手続きなど30項目以上の基準を定め、条件を満たす場合に限って3年間、優良事業者として認証する制度を今年導入した。