「周縁のフランス」の著者で地理学者のクリストフ・ギリュイ氏。今回の選挙で極右政党「国民連合」の躍進を支えたのはパリなどの大都市に住む人々ではなく郊外や地方など「周縁」に住む人々だったと指摘する。ギリュイ氏によればフランスではグローバル化による国内産業の空洞化が進み都市に住めなくなった労働者階級が「周縁」へと流出。大都市に残るエリートや富裕層とのあいだで社会が2つに分断されてしまったと指摘する。人数的に多数を閉めるのは周縁に住む人々だが、マクロン大統領のようなエリート層の政治家はこうした人々の声に耳を傾けていないとギリュイ氏は主張する。実際議会選挙の1回目の投票結果を見るとパリではマクロン大統領の与党や左派が全ての選挙区で首位になったが全国の地図を見ると多くの地域で国民連合が首位になった。私達は選挙戦のさなか、西武・ブルターニュ地方の小さな町を取材。そこでは国民連合の候補者が小規模な集会を開き、有権者の声に耳を傾けていた。この日初めて集会に参加したというブランシェさんは「マクロン大統領はエリート層の利益を代弁する政策ばかり掲げ、自分たちの暮らしが良くなる見込みはない」と感じている。ギリュイ氏は大都市のエリート層と周縁に住む人々が分断されたままでは今後も政治的な混乱が続くだろうと指摘する。