相続問題について大田貴広氏とともに伝えていく。2025年を迎え、相続を巡る問題はさらに増加することが懸念される。財産管理・遺言能力のない認知症高齢者が増加することや、おいやめいなど希薄な人間関係の中での相続争い、空き家の適正管理が行われない可能性もあり、生きている間に資産を贈与する「生前贈与」も増えているという。一方で適正に対応できていないと追徴課税が行われることもあり法に則った生前贈与が重要と大田氏は言及している。生前贈与には2つの制度があり、暦年課税制度は誰でも利用可能で非課税枠は年110万円までで、7年以内の贈与のうち3年より前の計100万円までとなる。もう1つの制度は相続時精算課税制度で非課税枠は計2500万円までとなっているが、過去全ての贈与を相続税の対象とするというルールがネックとなっていたが、法改正によって非課税額がさらに年110万円まで・控除額も毎年110万円まで控除されるというルールに変わった。これにより7年間110万円を贈与されていた場合であれば、暦年課税の場合は4年前以前の相続を対象に100万円控除されるのに対し、相続時精算課税であれば計770万円の控除を受けることができる。生前贈与を受ける際は税務署に申告する必要がある。相続時精算課税制度は最初に贈与が受けた年の翌年2月1日~3月15日までに申告を行うことが求められる。