はしかは麻疹とも呼ばれるウイルスによる感染症で感染力が極めて強く、飛まつや接触による感染だけでなく空気感染も起きることが知られている。国立感染症研究所に今年、これまでに報告された感染者の数は22人で、このうち15人は海外で感染したと考えられている。兵庫県では今日の時点でベトナムから入国した人など6人の感染者が確認されているが中には最近海外に行ったことがない人が感染したケースも報告されている。横浜市でもこれまで5人の感染者が確認されているが、このうち2人も最近の海外への渡航歴がなかったという。日本ははしかのウイルスが定着していない排除状態にあるとされていることから兵庫県や横浜市は海外で感染して入国した人と知らないうちに接触していた可能性があるとしている。専門家の東京医科大学・濱田篤郎客員教授は「アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパの一部の国ではしかの子どもの流行が広がっていて、日本人が行って感染し持ちかえるケースが今年、増えているのでは」と話す。また、日本では子どもにワクチンの定期接種が行われているので、急激に感染者が増えることは考えにくいと指摘したうえで、はしかが流行している国に渡航する人はワクチンの接種歴を確認するなどしたうえで接種を検討してほしいとしている。