世界各地の戦争犯罪などを追及するICC(国際刑事裁判所)の所長に、日本人として初めて就任した赤根智子が日本記者クラブで記者会見し、ロシアによるウクライナ侵攻や、パレスチナのガザ地区での衝突を巡って、国家指導者による戦争犯罪などの疑いが持たれている現状について「ICCが法の支配、不処罰の撲滅という信念を貫いていくことができるか困難な時代と考えている」と述べた。また、ロシアがプーチン大統領に逮捕状を出したICCの関係者を指名手配するなど、さまざまな圧力を受けていることについて「職員、裁判官一同、屈してはならない気持ちで裁判業務に向き合っている」と述べた。その上で、「ICCが独立した中立公正な裁判所であり、そこでの司法判断は尊重すべきだという空気が各国に広がることが、政治的な圧力に対する抑制になる。それこそが法の支配を標ぼうする日本の役割でもある」と述べ、各国の理解と支持を求めた。