NHK海外たすけあいは日本赤十字社を通じて世界各地で支援を必要とする人々のために役立てられている。緊迫状態が続くイスラエル・パレスチナ情勢。多くの犠牲者が出る中、パレスチナのガザ地区では約150万人以上が避難生活を余儀なくされている。こうした世界各地の紛争や迫害などによって住まいを追われた人の数は今年過去最多を記録。約1億1400万人が命を繋ぐための支援を必要としている。話を伺ったのは日本赤十字社の藤崎文子さん。藤崎さんはバングラデシュでミャンマーからの避難民の支援に取り組んでいる。6年前、ミャンマーでは軍と武装勢力との大規模な衝突が発生し、70万人以上が隣国バングラデシュに避難。現在96万人以上が過酷な生活を送っている。日本赤十字社が現地で活動の柱としているのが保健医療支援。ここは無料の診療所。日本の医師や看護師から指導を受けた現地の職員たちが診察を行い、施設の運営管理に藤崎さんが携わっている。「公的な医療サービスへのアクセスが難しいなかで健康を守り安心して暮らせる生活を保証する医療の提供は非常に重要」と話す。現地の活動ではこころのケアにも力を入れている。人々の交流の場を作ることで避難生活の不安を和らげようと取り組んでいる。「困難に立ち向かう力をつけてもらう活動にも繋がっていると思います。先の見えない生活のなかでも希望を持って強く生きてもらえるような寄り添った支援を続けていきたい」と話した。75年前からパレスチナからの難民が押し寄せている国レバノン。国内に12か所の難民キャンプがあり、48万人以上が暮らしている。日本赤十字社は難民キャンプの中にある病院に5年前から医師と看護師を派遣。現地スタッフに不足している知識や技術を指導し、質の高い医療を安定的に患者に提供していけるよう人材育成の支援を行っている。福岡赤十字病院の松田圭央さんは「遠くの出来事かもしれないが世界には支援を頼りに生活している方が本当にたくさんいる。助けを必要としている方々に支援を届けられるようNHK海外たすけあいにご協力をいただきたい」と話した。