日本は今月、国連安全保障理事会の議長国を務めているが、国際情勢が厳しくなる中、難しい舵取りが求められている。ウクライナ情勢を巡っては、この2年間ロシアが頑な姿勢を取り続けて、欧米が非難決議案を提案する度に拒否権を使って廃案に追い込んできた。ウクライナの苦戦が伝えられる今、ロシアはいま自信を深めている。大統領選を控えるプーチン大統領は、国内に戦果をアピールしようと増々侵攻に執着するとみられる。またガザ情勢でもイスラエルを擁護するアメリカが停戦を求める決議案を拒否してきた。アメリカでも大統領選が控えていて、選挙に影響力を持つユダヤ系団体への配慮から、これからもイスラエルを擁護するとみられている。日本は紛争予防などのテーマで会合を開く予定で、冷静な議論をどこまでリードできるか手腕が問われる。