ウクライナ情勢を巡りロシアと欧米の対立が深まるなか開かれているのはBRICSの首脳会議で中国・ロシア・インド・ブラジル・南アフリカの侵攻5か国が作っている。南アフリカのヨハネスブルクで先ほど始まったBRICSの首脳らによる全体会議でラマポーザ大統領は「より包括的な国際秩序を作ることを目指し全ての国と連携したい」と話している。今回の首脳会議の大きな焦点が「加盟国の拡大」でイラン・サウジアラビア・アルゼンチンなど20か国余りが参加を希望している。中国やロシアは欧米への対抗軸としてBRICSの強化を目指している。欧米との関係で板挟みとなっているのが南アフリカで人種隔離政策の撤廃に向けた闘争を支援したのは当時のソビエトだった。南アフリカの政権与党は今もロシアとの関係を巡視する傾向がある。国際関係者は「我々とロシアには歴史的な繋がりがあり、ロシアがウクライナと粉争を抱えていてもその事実は変わらない」と話している。国連総会ではロシアによるウクライナへの軍事侵攻を非難する国連総会の決議を棄権したという。今年の6月にはアフリカ諸国からの輸入品への関税を免除する優遇措置から南アフリカが排除される可能性があるとアメリカ上院議員らが警告する事態になった。圧力に不安を募らせるのは南アフリカの農家で柑橘類を生産する農場では優遇措置の恩恵を受けアメリカ向けの輸出が売り上げの45%を占めていた。農場経営者は「アメリカの優遇措置は貿易する上で必要で、もし大国間の対立に巻き込まれこれを失えば大きな打撃を受ける」と話している。ダニエル・シルク氏は「南アフリカには発展途上国の声を西側諸国が抑え込んできた不信感があり、欧米という主要な貿易相手を遠ざける余裕はない」と話している。欧米との距離感が異なるBRICS、揺れ動く南アフリカは議長国としてどう議論をまとめていくのかが注目される。