国連がことし8月に発表した報告書では、世界の海面上昇は1993年から2002年までの10年間、平均で0.21cm/年だった。これに対して去年までの10年間は0.48cm/年で、上昇のスピードはこの10年で2倍以上になっている。また英国の科学誌は、気候変動と海面上昇がこのまま進行すると、世界の砂浜の半分が2100年までに消失すると分析している。被害の規模も甚大。英国では去年住宅地に迫る海岸浸食が確認されたほか、米国では年間で日本円にして750億円を超える被害が出ているとの推計もある。専門家は、先進国、途上国にかかわらず、対策が急務だと指摘している。課題山積の中で迎えるCOP29。議論を見ていくうえでのポイント。国際部・堀征巳の解説。今回は先進国がどの程度途上国に資金を拠出するか、来年以降の計画を決める場になるが、これまでも議論が紛糾した経緯もあり、対立を乗り越えていけるかがポイント。先進国も気候変動による課題を抱えていて、どこまで踏み込んだ議論ができるかも焦点。トランプ氏の当選が波紋を広げる中で各国が有効な対策を打ち出せるのか、議論の行方が注目される。
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