4日、トランプ大統領はパレスチナ自治区ガザを「アメリカが長期にわたって所有する」「ガザはがれきの山で住めない 別の場所が必要だ」などと発言。この場所に住む人たちについて、移住させ倒壊した建物や不発弾を撤去して経済開発をするとした。この声明に対しては反発の声も相次いでいる。アッバス議長は「パレスチナ国家の樹立なしに地域の平和と安定は達成されない」とし、ガザ地区を実効支配するハマスはトランプ大統領に対し「道徳や人道的基準が欠如している」と非難。1946年頃、今のガザ地区のあたりにはアラブ人がほとんどでユダヤ人が少しいた。しかし、翌年ユダヤ人がやってきて半数以上を占める形となり1948年にはユダヤ人によってイスラエル建国宣言が行われた。第一次中東戦争が勃発し、その結果多くのアラブ人が居住地を奪われ難民となり、ガザ地区などへ移住を余儀なくされたという経緯がある。これがアラブ人にとっては忘れられない出来事となっている。1967年には第三次中東戦争でイスラエル軍がガザ地区を占領、アラブ人はイスラエルの占領下で暮らすこととなった。以降50年以上にわたってイスラエル軍とアラブ人は衝突を繰り返してきた。ジュネーブ条約で占領地からの強制移送は禁止されており、住民の意に反して移住させると国際人道法違反となる。周辺諸国からは反米感情が高まり、中東情勢がさらに不安定になる可能性もあるという。
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