日本被団協がノーベル平和賞を受賞した。79年前、広島と長崎に投下された原子爆弾。その年だけで21万もの命が失われたともいわれている。その11年後、日本被団協は被爆した人たちの全国組織として結成。1982年、国連の軍縮特別総会で、被爆者として初めて演壇に立った日本被団協の山口仙二代表委員(当時)は、みずからの傷をさらけ出して「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアウォー、ノーモアヒバクシャ」と訴えた。原爆を投下した米国の大統領と2016年に対面した日本被団協・坪井直代表委員(当時)が呼びかけたのは、核なき未来へと共に歩むことだった。きょう、ノーベル平和賞の授賞式に臨んだ日本被団協の田中熙巳代表委員は、核の脅威が高まる世界に向けて「想像してみてください。直ちに発射できる核弾頭が4000発もあるということ。人類が核兵器で自滅することのないよう、核兵器も戦争もない世界の人間社会を求めてともに頑張りましょう」と訴えた。このメッセージとひとりひとりがどう向き合っていくのかが問われている。