木澤大祐のラストステージとなった。筋肉自慢が日本一を競うボディービルの日本選手権。ことし、30年に及ぶ競技人生のすべてをかけて挑んだ選手がいた。日本選手権に向けみずから経営するジムで調整を続ける木澤大祐さん、49歳。1日2時間、週6日。年齢を重ねてもトレーニング量は20代のころと変わらない。鍛え上げた筋肉の大きさからついた愛称が“ジュラシック木澤”。ボディービルを始めたのは18歳のとき。26歳でジムを起業。しかし、当時はトレーニングに対する世間の関心が薄くすぐに経営が立ち行かなくなった。それでも運送会社で働きながらトレーニングを続け、日本でトップレベルの実力を持つまでになった。競技と並行して力を入れてきたのが若手ボディービルダーの支援。賞金を出してくれるスポンサーを募り独自の大会を開催。トレーニングと両立できる仕事を探しているボディービルダーのために就労支援も行ってきた。その生き方に影響を受けた人も少なくない。木澤さんが現役最後の試合に選んだのが日本選手権。これまで19回挑戦して最高成績は2位。木澤さんの現役最後の姿を見ようと全国からボディービルダーやファンが集まった。最終審査。30年間貫いてきた不屈の思いを込める。20回目の挑戦で初めての優勝。