夏目漱石が40代の頃に入院していたときに、妻へ送った手紙が発見された。妻を気遣う言葉が並べられ、家族を思いやる漱石の一面が読み取れる貴重な資料だ。漱石山房記念館を運営する新宿区が、3月、都内の古書店から手紙を購入した。明治44年2月、当時43歳の漱石が入院中の病院から妻・鏡子に送ったと記されている。夏目漱石は前年に大病を患い入院生活が長引き、妻は家のことを一手に引き受け体調を崩しとみられる妻に対し、「眼がまわり倒れるのは危険だ。よく養生しなくてはいけない。具合が少しよくなったら郵便で知らせてくれ」などと書かれている。「病院が急にいやになった。帰ってもお前が病気じゃつまらない。はやくよくおなり お見舞いに行ってあげようか」などとも綴られている。漱石山房記念館で来月13日から公開予定。
