きょう中国の人民大会堂のレッドカーペットを歩くのはロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席。プーチン大統領は5期目の大統領になってから初の外遊先として中国を選んだ。きょうの会談ではウクライナ侵攻や経済など幅広い分野での協力について意見が交わされたとみられる。今回2人はとにかく蜜月ぶりをアピールしたい。そして米国一強の今の世界を変えたいという狙いでは一致している。会談にかける熱意は温度感もありプーチン大統領のほうが思いが強いよう。プーチン大統領の頭の中にあるのはウクライナ侵攻の長期化。ロシアに詳しい廣瀬陽子教授によるとプーチン大統領は侵攻が年単位で長引くのではないかと見ているのではないか。それだけに経済力の強化を急いでいて今回、訪中を決めたのではないかと指摘している。また、今月に入りロシア軍の攻勢はますます強まっているが今、ロシア国内でセンサーやレーダーといった軍事にも転用が可能な製品を生産するということは難しくて、ここで頼りになるのが中国だという。廣瀬教授はこうした軍事転用品の中国への依存度はすでに90%ほどになっていると話している。中国総局の柳沢支局長によると中国としては国際的批判にさらされているプーチン大統領と一緒にされたくはない。ただ、プーチン大統領は圧倒的な勝利を大統領選で収めて新たな任期が始まった今であれば大歓迎で受け入れてもいいかというくらいの心境だという。さらに中国としてはプーチン大統領と仲の良さを米国に見せつけて牽制したい思いもあったよう。今週、バイデン大統領は電気自動車など中国からの輸入品が米国の市場を脅かしているとして関税を4倍に引き上げるなどの決定をした。中国としてはロシアと仲良くして米国を揺さぶっているという。外務省関係者によると日本の周辺でも爆撃機が共同の飛行訓練を行うなど連携が進んでいる。今後、どんな連携をしてくるのか注視する必要があると今回改めて思ったと話していた。