年間3400戸以上の注文住宅を販売している大和ハウス工業。営業担当の松浦力さんについていくと、坪単価や同じ建築費での性能をメーカーごとに比較した動画を見ていた。家が高くなる中、客のほとんどがこうした動画で予習をしてくるようになり、営業スタイルも大きく変わったという。25年前は客に知識がほとんどなく、「住宅展示場に教えてもらいに来ている」というスタンスだったが、今は求められるハードルが上がっているそう。コスト感覚がシビアな客に家を売るため、大和ハウス工業が力を入れているのが「規格住宅」。去年から注文住宅の新しいプランとして売り出した。フルオーダーの住宅と異なり、ベースとなる1900種類以上の中から条件に合ったものを選択し、その上で外壁や間取りなどを好みに合わせて注文することができる仕組み。フルオーダーよりも15%程、価格が安くなっている。この日、規格住宅の魅力をプレゼンするために用意していたのは、去年から本格的に開始したVRだ。建てる予定の家を3Dで映し出し、自分で操作しながら中を見ることが可能。細かくチェックすることで、客は気になる所を相談することができる。松浦さんが、「VRのいいところは、いいところだけではなく問題点もつかめること。平面図でわからなかった部分を確認できたので、それが先につかめたというだけでも効果はあると思います」と語った。