東日本大震災では逃げ遅れた人を助けようと多くの人が犠牲になった。岩手県大槌町安渡地区で行われた津波避難訓練では、町内会が貸し出しているリヤカーを組み立て、足腰の悪い人を搬送した。震災前の安渡地区の住人はおよそ2000人だったが、この集落だけで217人が亡くなった。住民を助けようとした町内会の人や消防団員の多くが犠牲となり、15分ルールを設けた。三陸沿岸の大津波は30分以内に襲来するためで、助ける側の命を守ることが目的で、助けられる側も逃げる努力をしないといけない。消防団も15分以内に避難することを決めた。住宅は高台に移転し、防潮堤もできたが、地区の人口は3分の1まで減少し、避難訓練参加者も減っている。