年の瀬の奈良公園。毎日シカを見に来ている人は、圧倒的に中国の方が減っていると話す。中国で日本への渡航自粛が呼びかけられ1カ月あまり、中国人観光客が減少したことで隣の京都のホテル価格が下がり始めるなど余波が広がる中、奈良県では新たな懸念が生まれていた。インバウンドで宿泊価格が高騰する京都の受け皿としてホテルの開業ラッシュが続いていたが、外国人観光客の約3割を占めてきた中国人客が姿を消し、ホテル価格が下がり始めた京都に観光客が再流出することを懸念している。奈良市では多くの店が午後5時にはシャッターを下ろしていた。奈良市観光協会では中国人客が減る中、日本人客を取り戻そうと静かな奈良をアピールしている。人気温泉街の神奈川県箱根町でも、中国人客が少ない、中国語をあまり聞かないなどの声が聞かれた。一部で中国人観光客が減っているものの日本人観光客などが戻ってきているという。観光庁発表の外国人宿泊客の中国人比率で去年最も高かったのは約35.4%の静岡県、奈良県はそれに次いで2位だった。
