1973年にデビューしたシンガーソングライター・南佳孝さんの「スローなブギにしてくれ」は、1981年の浅野温子さん主演映画の主題歌となりスマッシュヒットした。中森明菜さんや斉藤和義さんなど世代を問わず歌い継がれている。ギタリスト・鈴木茂さんは日本語ロックの先駆けとなった伝説のバンド「はっぴえんど」のギタリストとして1970年にデビュー。バンド解散後は松任谷由実さん・吉田拓郎さん・福山雅治さんなど錚々たるアーティストのレコーディングに参加し、名曲に花を添えている。杉山清貴さんは1983年に「杉山清貴&オメガトライブ」としてデビューし、爽やかな楽曲と歌声で一世を風靡した。70年代・80年代の音楽シーンを彩って来た3人が新ユニットを結成。今月9日にお披露目ライブを行った。このライブはバックバンドなしで3人だけの生演奏を堪能できるスペシャルな試みとなっており、ステージでは緊張感が漂っていた。そのためリハーサルではお互いに探り探りの状態だった。演奏曲は3人それぞれのオリジナル曲にビートルズのカバーなどを加えた全23曲。大瀧詠一さんの楽曲「さらばシベリア鉄道」では伴奏するフレーズで試行錯誤する南さんの姿があった。3人の探り合いはライブ直前まで続いた。3人の初ライブを楽しみにしているファンからは期待する声が多く聞かれた。ライブが始まると南さんはすぐさま舞台袖にUターン。機材を楽屋に置き忘れて取りに行くハプニングが起きた。南さんはすぐさま場を繋ぐ2人のもとへ戻り、仕切り直してライブが開演。客席のボルテージが高まったのは郷ひろみさんがカバーしたことでも知られる名曲「モンロー・ウォーク」。それまで3人のハーモニーに聞き入っていたオーディエンスは次々と立ち上がり、音楽に合わせてダンシング。最後は座って演奏していた3人も立ち上がり、大盛り上がりの中ライブが終わった。現在南さんは75歳、鈴木さんは73歳、杉山さんは65歳で平均年齢71歳とは思えない現役バリバリ感を出した。3人はまだまだ叶えたい夢があると語った。最近では大滝さんが歌ったはっぴえんどの未発表音源が発見されたという。