グローブをきっかけに野球人気を復活させようと取り組んでいるスポーツ用品店が舞台となっている。元高校球児の社長と相棒の職人、二人三脚の挑戦を追った。ものづくりのまち、東京・大田区にある野球グローブの専門店。一つ一つをよく見ると見えるか、文字が、ありがとうって書いてある。今回のスター、米沢谷友広さんの店では回収したグローブの販売だけではなくて何十年と使えるようにするための修理も行っている。その作業を行っているのは米沢谷さんの相棒で職人の大木賢さん。大手スポーツ用品店で勤めたあとにこの店の思いに共感して働き始めた。米沢谷さんが店を開業して3年。再生させるグローブの数は1年間で3000個を超えるほどになった。グローブの再生に乗り出すきっかけとなったのは野球人気の低迷。背景に道具の値段の高騰があ自身も野球少年だったという。米沢谷さんは高校時代には甲子園にも出場した。グローブを買う負担を少しでも減らしたいと話す。お店では軟式用のグローブを硬式用に変えるリメークも行っている。一般的に硬式用は軟式用よりも高額となっていて硬いボールに耐えられるよう捕球面というキャッチする面が補強されている。新しいグローブに買い替える必要がないよう、このお店では独自の技術で軟式用を硬式用にアップグレードしている。依頼主の使い心地を損なわないように仕上げることも大木の技なのだ。6時間半ほどで完成。今回の修理費用は3万円ほどだった。新しく買うよりもだいぶお得。二人三脚で今、定期的にグローブ作りのワークショップを開催している。これまでも区の幼稚園や小学校で出前授業を行っており道具の大切さと野球のおもしろさを伝えている。