1980年に刊行された絵本「あさいち」がきょう復刊した。後押ししたのは読者から寄せられた声でした。1970年代の輪島朝市を舞台にした絵本で絵を描いた大石可久也さんと担当編集者はおよそ3年間にわたり朝市に集う地元の人の姿を丹念に取材した。復刊のきっかけは1月の能登半島地震で朝市が開かれてきた輪島市の通りが火災で大きな被害を受けたことでした。絵本を刊行した東京の出版社は金沢で創業したこともあり何かできないかと思っていたところに「輪島の朝市のことを忘れぬためにも復興を信じて復刊していただきたい」などの読者の声に後押ししてもらい復刊を決めたという。書店で絵本を手に取った人は「こういう日常があったと教えられるしそれが今なくなったことも教えられる」と話した。福音館書店の岡崎健浩さんは「その地に暮らしていた方や生活を思い起こすきっかけになってくれたらいい」などと話した。絵本の売り上げは能登半島地震の義援金として日本赤十字社に寄付される。