Suica、PASMOなど全国交通系ICカードを巡り異変が起きている。熊本県では路線バスなどで12月中旬以降に全国交通系ICカードが利用できなくなるという。交通系ICカードの代わりにクレジットカード、QRコードで決済可能になるという。熊本市によると、交通系ICカードの決算システムを導入した後に取りやめるのは全国の公共交通機関では初めて。背景にあるのは費用の問題。現在使っている交通系ICカードに対応済みの機器を更新した場合にかかる費用は12億円以上。クレジットカードとQRコード決済の機器に変えた場合、かかる費用は約6億7000万円。交通系ICカードの読み取り機器を新規導入する場合、国からの補助金が出るが、今回の熊本県のように更新の際には補助金が出ないという。都内にも交通系ICカードが使用できないバス会社がある。東京・港区を走るお台場レインボーバスは費用により交通系ICカード対応の機器を導入していない。東京都交通局によると、2022年度には都バス127路線の8割近くが赤字。機器の更新費用が重くのしかかるとみられる。