秋田県大館市の美園町は約150世帯が暮らす。若狭幸夫さん(75)は去年まで14年間、町内会長を務めてきたが体力的に継続が難しいと感じていた。市の行政協力員や民生委員も兼務し、後任を探して打診を続けるも役員の担い手が見つからなかったため、去年4月に町内会の解散を提案した。解散は大館市で初めてとなる。町内会の解散により、町内の全班がなくなり、回覧板も廃止された。ゴミ集積所の清掃当番は不在となった。住民同士の付き合いが希薄になることで防犯や災害時の安否確認への影響が懸念されている。去年11月には市の中心部に近い別の町内会も解散した。専門家は全国的に同様の事例があるとした上で、地域コミュニティーのあり方を時代にあわせて変えていく必要があると指摘した。最近ではインターネットを使って若者の参加を促す動きがあり、秋田市は町内会サイトを設置している。