兵庫と大阪にまたがる妙見山。麓にはケーブルカーの駅がある。ケーブルカーで山の中腹まで登ると、リフト乗り場がある。リフトはそこから山頂までの580mを走る。まずは大人数の家族連れに声をかけた。ここが地元という姉妹と、その家族だった。閉鎖になることを知って慌ててきたのだという。リフトは一人がけ。小さい子どもは膝の上に乗る。大きな荷物も一座席。撮影クルーも乗ってみた。高さはそれほどではなく、進み方もゆっくりで、あまり怖くはない。12分で山頂付近に到着した。展望台からは西宮や大阪の街並みが望める。うっすらと紀伊半島まで見える。リフト乗り場に向かってくる3人組がいた。子どもが小学生の頃からのママ友だという。子どもは既に成人しているが、小さい頃はよくここで遊んでいたのだという。下りはまた違った景色が楽しめる。リフトを降りた山の中腹には広場がある。リフトやケーブルカーを含む広場一帯は地元の鉄道会社が運営している。長年親しまれてきたが、今回のリフト閉鎖と併せて閉鎖されるという。番組スタッフに声をかけてきた女性がいた。長男が小さい頃にハイキングに来た思い出などを語ってくれた。午後になると、リフト待ちの行列はさらに長くなった。もうすぐ閉鎖と聞いて訪れたというパキスタン出身の男性もいた。京都からキュアプリズムのぬいぐるみとともに訪れた男性もいた。下りのリフトから降りてきた二人組に声をかけた。大阪から来たという母娘だった。30歳の娘さんは病気で足が悪く、長く外出できない時期もあったが、今日はなんとかここに来ることができた。母親は娘とリフトからの景色を見れたことや、生きていることの幸せを実感できたという。夕方5時過ぎ、日が陰る中、ひとり下りのリフトに乗る男性がいた。リフトを降りた後話しかけてみた。旅行関係の会社に今年務め始めた22歳。宝塚市出身で、ここは思い出が詰まった場所なのだという。リフトは夕方5時半に終了、一日が終わった。