森の中で観察をしていると色々な音が聞こえてくる。ミソサザイのさえずりも聞こえる。ミソサザイは身長約10cmで日本最小の鳥の1種。6月上旬になると大きさ約4cmのエゾハルゼミの鳴き声が聞こえてくる。寒冷地に生息し嬬恋村ではまだ肌寒い6月のあたまから羽化を始める。羽化する姿を見るべく夜の森を調査していると法師人さんが幼虫を発見。エゾハルゼミの羽化は幼虫の背中が割れて成虫が出てくる。はっきりとは分かっていないが幼虫は数年間土のなかで過ごすと考えられ成虫になると2、3週間程度で命を終える。のけぞるようにでてきたら腹筋をするように上体を起こす。蝉の羽は羽化する時は折りたたまれていて羽の中に通っている管に体液を通すことでハリを持たせている。森の中の木に空いている穴に向けカメラをセットし撮影するとキツツキの一種のアカゲラが映っていた。アカゲラは雛を育てる巣を作るためや自分自身も巣で寝るため毎年新しい巣穴を掘ると言われている。穴の中から雛が顔を覗かせると頭の赤い雄のアカゲラと赤くない雌のアカゲラが交互にエサを運んでいた。運んできたエサはエゾハルゼミだった。この森のアカゲラは高頻度でエゾハルゼミを捕まえてきていた。