米国で取材した女性は、オールドメディアのニュースや当局の発表は全く信用できず、Xにこそ真実があると力説していた。その例として、安倍元総理大臣の銃撃事件の陰謀論を話し始めたが、女性はそのほかにも根拠のない陰謀論や差別的な発言をしていた。怖いなと思ったのは、女性がそういった言動をカメラの前で全くためらうことなくすること。差別を許さないとか、真実に忠実であるべきだという価値観が米国社会で変わってきているのではと感じた。米国・トランプ次期大統領の再登板で、こうした流れが更に進むのではないかと心配する。トランプ次期大統領の登場によって人々がずっと心の中に秘めていたゆがんだ感情みたいなものが解き放れてしまった気がする。仲間以外のものを敵視して傷つけるような差別的な発言、乱暴的で一方的な主張がSNSなどを通じて当然のようにまかり通るようになった。拡散のスピードや情報量は、マスメディアのはるか上をいっている。よしとしてきた価値観、自由とか民主主義が、名前は同じでもその中身が恐ろしい勢いで塗り替えられている気がする。