問題となっている選挙ポスターについて動きがあった。ポスターを巡っては去年の東京都知事選挙で猫などのポスターが枠の半分を占めたり、ほぼ裸の状態の女性の写真が掲載されたり、また候補者の枠を販売して選挙とは直接関係のないポスターが貼られるなど、いわゆる掲示板ジャックが相次いだ。こうした事態を受けて、品位を損なう選挙ポスターを禁止する法律がきょう国会で可決・成立した。大きく4つの内容が明記された。まず候補者の氏名を見やすく記載することを義務付け、他人や他の政党の名誉を傷つけることや良俗を害すること、商品の広告や営業の宣伝などを記載することをそれぞれ禁止した。中でも特定の商品の宣伝などをした場合100万円以下の罰金を科す規定が設けられた。これらは6月に予定される東京都議会議員選挙やこの夏の参議院選挙で適用される見通し。公職選挙法に詳しい日本大学の安野修右専任講師によると、「具体的な判断を誰がするのかどういう基準で公序良俗に反するのかの判断は難しい。そのため直接は関係ないようなポスターがまた貼られることもなきにしもあらず」ということだった。選挙問題に詳しい早稲田大学の日野愛郎教授は「ポスターの不正利用は認められないんだということが法律でしっかり明記されたことは大きな意義がある」と話している。SNS上のデマ情報などについては自民党が提言案をまとめるなど強い危機感が各党から示されている。また、当選の意思のない候補者が他の候補者のことを応援するいわゆる2馬力選挙についても対応を急ぐことにしている。