二木島町は住民の7割が高齢者で、お年寄りたちは荒坂診療所に通っている。全国には10万余の診療所があり医療を隅々まで届ける役割を担っているが、近年は休業や廃業が相次ぎ昨年度は過去最多の580件にのぼった。背景には医師の高齢化と後継者の不在がある。荒坂診療所の医師・平谷さんは熊野市出身で、以前は宮崎県の病院で副院長を務めていた。50歳のときに地元も求めに応じて二木島へ移った。妻とともに診療所の2階に住み込み、町のお年寄りのかかりつけ医として生きてきた。100歳まであと7か月となった大原さんは25年間診療所に通っている。