苦しそうな男性の顔だけが描かれた未完成の絵にパイプを置くと、パイプによって出来た影できつそうな態勢でエクササイズをしている人を描いたアートに変わる。身の回りにあるモノに光を当て、そこからできる影を利用して影絵アートを完成させている。「発想が天才すぎる」とSNSを中心に話題になっている。1つのグラスの側に男性と女性の姿が描かれている。グラスに光を当てると、波打ち際が現れ、浜辺に向かう男性を見守る女性の瞬間が浮かび上がる。ピーラー×ピアノ弾きの男性は、ピーラーの影を使い、ピアノを描いている。影絵を制作しているのは、ベルギーの映画監督、ヴィンセント・バルさん。約8年前から影絵アートを制作。日常にあふれる小物から、どのように活用できるか頭をひねり、日々制作している。ヴィンセント・バルさんは「最初の何年かでこの家にあるものは全て試した。娘の髪留めをこっそり拝借したり、家にあったチェリーを貯めそうとやったり、とにかく何でもやってみた。どんなモノでもアートになるのが素晴らしい」とコメント。光と影を巧みに操る職人技。当初はいい影がつくれると太陽光を利用していたが、ベルギーは曇りの日も多く、今では小さなライトを使って制作。ヴィンセント・バルさんはこれまで4度来日するなど親日家。日本をテーマにした作品、日本で購入したものを使用した作品も制作。香水の入った花柄の箱を開き、角度を調整すると日が差した五重塔、富士山が現れる。