2017年度から4年間の調査では全国的にクマの個体数が増えているのがわかる。大井特任教授はこの個体数の管理が必要だという。そうなるとハンターの方の力が必要になってくるが、その人数は減っている。ライフル銃などによる狩猟免許を持っている人の数は50年前で49万人を超えていたが、2020年には約9万人にまで減っている。猟友会に所属しているハンターの方はクマの目撃情報があると役場から連絡があり現場に駆けつける。緊急時には銃を撃つことになるがクマは時速40kmで走ることが出来るので1、2秒あれば向かってくるというような危険な状況で捕獲に当たっている。クマをおびき寄せる「箱ワナ」は重さ100kgにもなるが、クマが出没しそうな場所まで運び、設置なども行う。それもクマが辺りにいる可能性があるので危険と隣り合わせのなかでの作業となる。大日本猟友会・佐々木会長によるとこの危険性以外にもハンターが減っている理由は多くあるという。ハンターになるには狩猟免許と猟銃を持つための許可が必要だが、銃を扱うので身の回りの検査が厳しく行われる。最近ではこうした厳しい検査が面倒だなと思うような方も多いそう。仮にハンター資格を得た場合でもハードルがあり、狩猟に使うライフル銃を扱えるようになるには散弾銃を10年以上所持することが決まりになっているそうで、ハンターになるまでに多くの時間がかかるそう。そのため更新タイミングの3年ほどで半数が辞めてしまうとのこと。そのため若い人が少なくなり高齢化が進み、ハンターの6割が60歳以上と言われている。ハンターの多くはクマのためになったわけではないという人が多く、それでも好意でやってくれているが、最低でも2~3人以上で対応しなければいけない。報酬については地域差はあるが、北海道・美瑛町では時給1500円だったが今年7月から4000円に上がっている。ガソリン代など諸費用もかかるためこここからの負担もある。
