歌舞伎の名門・萬屋に生まれた中村獅童さんは、父・三喜雄さんが役者を廃業していた影響で歌舞伎の世界に入ってから端役しか与えられなかったという。この時期を母・陽子さんが支えてくれたとのこと。映画「国宝」に出てくる「親がいないのは首がないのと同じ」という台詞は獅童さんの祖母が言った言葉で、獅童さんは映画を観て5回ほど泣いたという。10代後半で役が与えられなくなると、ロックバンドや俳優業など様々なことにチャレンジ。祖母・ひなさんからは「役者なんだからどんなことも役に立つんだからどんどんやりなさい」と言われたという。三喜雄さんは獅童さんが主役になった時に初めて息子の歌舞伎を観たといい、獅童さんは「幕が開いた瞬間に親父がすごい拍手していて嬉しかった」などと話した。獅童さんは数々の映画やドラマ等に出演して知名度を上げ、歌舞伎の世界でも2020年に「義経千本桜」で主演を務めるなど大きく飛躍。外の世界で認められた後に歌舞伎の世界で名をあげるサクセスストーリーこそ獅童さんが“異端”と言われる所以。獅童さんは「目標があるから楽しかった」などと話した。
