神宮外苑の再開発について取材をしたが、これまでの東京都が踏んできたプロセスに大きな問題があると感じた。取材した近隣住民の青山一丁目住宅自治会・近藤良夫会長は「本来まちづくりというのは住民と行政が話し合って行うものだ。今は住民不在のまま進められている」と話していた。一体誰のための再開発なのか、東京都はもっと都民の声に耳を傾けてほしい。ボート競技の選手にも話を聞いたが、海の森の会場は選手にとってもできれば避けたい会場。選手にとっても税金を払う都民にとっても不幸な状態。都庁というのは役所の中でも特に苦労する取材相手。なぜかというと基本的な事実確認もなかなか進まないから。近年の都庁のメディア対応が内向き閉鎖的になっている。報道で仕事をしていた小池知事がトップに就く組織。ぜひより透明性の高いメディア対応をしてもらいたい。小池知事がずば抜けた発信力で都民の都政への関心を高めたことは確かだが、関東大震災をめぐる小池知事の発信は間違っていると思う。小池知事は、朝鮮人虐殺についてさまざまな内容が史実として書かれていると言うが、犠牲者の数はともかく、虐殺があったという点において研究者の間で論争はない。