印刷局は紙の製造から行われ、ミツマタは古くから和紙に用いられる。アバカは熱湯に晒されても破れない強度を持つ。これらの原料をかけ合わせお札用の大版用紙を作る。偽造防止ホログラムは新紙幣の目玉で、見る角度で3Dの肖像が回転する。工場は工程ごとに区画が分けられ、情報漏洩などを防ぐために別部署の職員は立ち入りが制限されている。断裁工程を経て完成した新紙幣を前に職員は「私たちにとっては製品。欲しいと思ったことはない」と話す。古いお札は日本銀行に戻され本物か偽物かなどが確認され、裁断されトイレットペーパーや住宅用建材に活用される。新紙幣はシリアルナンバーもリセットされるため若い番号のレアな数字も流通する。