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生活保護法は1950年に生まれた。困窮する人に最低限度の生活を保障する。2013年、国は生活保護費を最大で10%引き下げたが、全国29か所で裁判が起こされた。
オープニング映像。
鹿児島市に住む78歳の女性は生活保護費引き下げ訴訟の原告の1人。15年ほど前から生活保護を受給している。生活保護が約8000円、年金が約9万4000円、障害年金が約6万6000円で収入は約17万円。家賃などを支払うと残りの生活費は7万円。
生活保護の対象は国が定めた最低生活費以下の収入で財産を持たないことなど。税金や医療費などは免除される。全国の受給者は約200万人、60人に1人が利用。基準額は5年に1度見直され物価変動が指標。2013年1月には生活保護費引き下げが閣議決定された。
鹿児島市生活と健康を守る会は生活に困っている人たちを支援する団体。祝迫さんは訪れる人の相談を引き受けている。年間100件以上、多くの人と苦しみを共有してきた。祝迫さんは16年間県議会議員を務めた。訪れた男性は家を持っていて生活保護を受けられない要因の一つという。
群馬県桐生市は生活保護の受給者に全額を支給せず1日1000円だけの手渡しという不適切な支給を繰り返した。水際作戦は生活保護の申請を窓口で受理しないこと。ケースワーカーの担当件数は1人あたり80世帯。2021年は1人あたりの担当件数は85.4世帯と約1200人が不足している。吉田市議は働ける人にはお金ではなく雇用を提供すべきと訴える。また、生活保護に対する否定的な感情、その根本にあるのは差別的な考え方スティグマという。生活保護を申請していない人は約800万人いると言われている。
命を支える制度を扱うにしては現場が未成熟。神奈川県小田原市で2007年、生活保護の支給を止められた男性が小田原市の職員2人を切りつけた。小田原市は受給者を利用者と改めることから始めた。職員の数を増やし、ケースワーカー1人あたりの担当数は現在85世帯となっている。利用者の目線に立った支援の結果、小田原市の生活保護の利用世帯は毎年増え続けている。
井手清一郎さんは生活保護法の制定に携わっていた。憲法二十五条の理念に基づき作られたのが生活保護法。敗戦で貧しい日本の中で作られた崇高な法律という。
2013年に始まった生活保護費の引き下げの裁判は今も続いている。1世帯あたりの平均支給額は下がったまま。2023年10月には1人あたり月1000円が加算されたが臨時的な対応という。
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鹿児島市に住む60代の女性は病気のため7万円あまりの年金だけではこれ以上暮らしていけず、生活保護の申請をした。鹿児島県の生活保護利用者は約2万8000人という。
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