みかんなどの果樹栽培が盛んな神奈川県小田原市で4つの農園におよそ10種類の農産物を1人で栽培している女性がいる。一般企業への就職が決まっていた槇紗加さんに転機が訪れたのは大学4年生の夏だった。友人の研究の付き添いで訪れた新潟の米農家の話を聞いて農業のとりこになった。直感を信じ、決まっていた内定を辞退。親にも内緒で小田原の農家のもとで働き始めた。2年間、農家で一から学び去年、独立。市内で増えている耕作放棄地を借りて農園を開いた。そんな槇の夢はレモンの観光農園を開くこと。IT系の副業もしながら夢を追う彼女には強力な仲間たちがいる。槇さんの師匠である矢郷史郎さんは彼女の独立を支援。今もサポートを続けている。師匠だけではなくて同世代の仲間もできた。小田原に移住してきた猟師はイノシシの被害を防ぐわなを仕掛けに来てくれる。こうした同世代の仲間と小田原の未来を語り合うこともあるという。夢の実現に向け新たなプロジェクトも始まっている。皮に傷がついている規格外品のレモンを使い、麦とホップに蜂蜜を加えクラフトビールにする。地元の会社が力になりたいと声をかけてくれたという。若い力で小田原の農業を盛り上げたいと槇さんはみんなの応援を胸にその旗振り役になりたいと語っている。