東京では何が課題になっているのかについて。大きな課題の1つとなっているのが少子化。東京都の去年の1人の女性が産む子どもの数の指標となる出生率は0.99だった。これは全国で最も低く、都道府県で唯一、1を下回っている。選挙戦で候補者がどのように効果的な少子化対策を訴えかけられるかもポイントになる。そして今回、56人が立候補ということで過去最多だが、どのような背景があるかについて。1400万人が暮らす東京のトップを選ぶ選挙なので関心も高くなり、前回と前々回の選挙では候補者は20人を超え、他の知事選挙よりも多い傾向にある。ただ、今回は用意した選挙ポスターの掲示板の枠が足りなくなるほどで、一部の候補者には掲示板の端にクリアファイルを画びょうや粘着テープで取り付けポスターを貼ってもらうという異例の事態になっている。候補者の数が多くなることは有権者にとって選択肢が増えることになる。一方、候補者の中には当選する気はなく、自分の名前を売るために出るので「目立たないと意味がない」と話す人もいた。地方政治に詳しい専門家は「知名度を上げて収入やビジネスにつなげようという側面もあるのではない」かと指摘している。その上で、そうした目的で利用させないルール作りが必要だとしている。4月に行われた衆議院・東京15区の補欠選挙では他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりといった選挙妨害の事件も起きたが、今回の選挙に影響はあるのかについて。候補者の中には同様の行為が行われる恐れがあるがあるとして、街頭演説はなるべく控えSNSでの発信を強めようという動きもある。都の選挙管理委員会は、演説を続けることや聞くことを困難にする妨害などは法律に違反する恐れがあることをチラシを作って候補者などに周知している。また警視庁は取締本部を設置し、違反の取締りに当たっている。候補者による十分な政策論争とともに有権者が安心して判断できる環境が欠かせない。