高島さんは3月の国際収支、特に4月の対内外の証券投資に注目しており「年初からの円安の1つの要因は、個人投資家による海外投資で、新型NISAの影響が大きいと思う。2014年のNISA導入後の個人投資家による海外投資は確かに増えていたが、そこまで著しく増えたわけではなかった。ラフな計算によると一般NISAによる海外投資が月1,000億~1,500億円ほどなので、為替市場の規模感で言うとこれくらいはあっという間に飲み込んでしまう。おそらく国際収支統計で見ると全体として個人投資家が外に向かった分は結局NISAがなくても海外にでていった分が、投資資金がたまたまNISAだったのでその枠を通じて海外に出ていったという側面もあったんだと思う。なので私は新型NISAになってもそれほど海外投資が増えるというふうには思っていなかったが、実際には1-3月までの投資信託委託会社という項目を通じた海外投資が合計3.5兆円にのぼっており、前年同期比で10倍くらい。新型NISAの影響は私が思ったより強く出ている。それ以外の項目はむしろ減っているので、表面的に見たほど個人投資家による海外投資が全体として増えているというわけではないと思うが、膨らんできている事自体は事実」などと話した。