「仕掛学」で生活の身近な問題を解決に導く専門家に取材した。「人間の心理を利用して、社会の問題をいい方向に仕向けるアプローチ」だという。仕掛学の研究を始めたのは、大阪大学大学院の松村真宏教授。富山市では自転車の盗難を防ぐために「仕掛学」が導入され、鍵のかかっていない自転車に「追跡対象自転車」と書かれた赤いタグが取り付けられるようになった。愛知県警でも「仕掛学」により自転車の盗難が8割減ったという。また、ごみ箱の上にバスケットゴールを取り付けると、利用者が1.5倍になったという。歩きスマホの防止ポスターに描かれている人物は、どの角度にいる人とも視線が合うようになっており「常に自分に目が向けられている」という感覚にさせるという。