日本は戦後の安全保障を転換してまもなく1年となる。防衛費は5年で43兆円に増額され、抜本的な強化が進められている。政府も防衛分野への新規参入を推進し、検討する企業も見られる。レーダーの製造などを行う三菱電機は政府の見直しを受けて今年5月に1000人規模の増員と700億円の設備投資を進める方針であり人材育成に取り組んでいる。海外への展開も進める方針で、フィリピンに輸出した警戒管制レーダーは運用もすでに始まっている。販売総額は今後100億円を超える見込みとなっていて、アジアの友好国にも販路を広げたいという。政府はこれまで防衛に関わりのなかった企業の参入も促していて、鉛を使った製品を手掛けてきたものの売上が15年前の半分ほどと苦戦している三光金属もその1社で、猟銃の弾のノウハウを活かせるのではないかという。その一方で三光金属の社長の妻からは戦地で自分の作ったものが使われるのは嫌という声が聴かれているが、池上社長は安定した発注先になるのではないかと言及している。