瀬戸内海は昭和9年に国立公園として指定され、ことし90年を迎えた。NHK岡山放送局は、公園の魅力や課題について年間を通して伝えている。今回は「海ゴミ」について。瀬戸内海は島々が織りなす景観や、希少な生き物が生息する豊かな海域が魅力の一方で、年間約4500トンの海ゴミが課題になっている。中でもプラスチックは劣化すると粉々になって回収が困難となり生態系への影響が懸念されている。この海ゴミを減らす取り組みを続ける部活が、岡山市にある。山陽学園中学校高校(岡山・中区)の地歴部の部員たちが街なかでゴミを拾っている。海ゴミ問題の解決につなげようと取り組みを続けている。漁業者の協力を得て16年前から海底ゴミの清掃を始め、その後島の漂着ゴミを清掃するなど活動を広げてきた。瀬戸内海のゴミは約7割が内陸から川などを伝って流れ込んだものとされている。開発したアプリを使い街中のゴミの発生状況を可視化し、今後は行政とも連携し効率的な回収に役立てていきたいと考えている。市民に関心をもってもらため啓発活動にも力を入れている。9月中旬、地歴部は環境やSDGsをテーマにした会合で講演の依頼を受けた。落ちているゴミがどのようにして発生しているか聞いた人が自分の事として受け止めて貰えるよう伝えることにした。県内の企業経営者などおよそ60人が集まる中で地歴部の発表を行った高比良悠汰さんは、社会のなかで役割が高校生でも果たせるというのが幸せだと語った。地歴部は自分達で開発したアプリによってゴミの発生状況を研究しており、コインパーキングや通りから一本入った小さな路地で多い傾向があるという。