日本やアメリカ、中国など、21の国と地域が参加するAPECの首脳会議が15日、アメリカのサンフランシスコで開幕した。特に注目されるのが、APEC首脳会議に合わせて、日本時間の17日午前に開かれる日中首脳会談だ。今回の会談で最大の焦点となるのは東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を理由とした中国による日本の水産物の禁輸措置。岸田総理はこれまでも中国に輸入規制の撤廃を求めてきたが、習首席に直接、処理水の安全性を説明する方針。さらに中国当局による日本人拘束や東シナ海などにおける中国の軍事活動の活発化についても懸念を示すものとみられる。政府関係者は今回のAPECで重要なのは2国間での首脳会談と断言するほど力が入っている。政府高官は「日中関係が動く可能性がある」と述べる一方、外務省関係者は「個別問題の解決は難しい」と予想するなど見方がわかれ具体的な成果が出るかは不透明。習首席との会談で冷え込んだ日中関係の早期改善につなげたい考え。