帯広市のコンサルタント会社に勤める松川優一さんは技術者として堤防の点検などに携わっている。松川さんは本業の傍ら、帯広市内の小学校で河川防災の大切さを伝える授業をボランティアで行っている。堤防の役割、マイハザードマップなどを教えている。松川さんが防災事業に取り組み始めたのは8年前の同僚の死がきっかけだった。2016年8月、北海道に台風が相次いで上陸。十勝地方でも各地で水害が発生した。増水する川で調査の仕事をしていた同僚が流され亡くなった。自分に今、何ができるのか、そこで思いついたのが防災教育だった。松川さんは教員免許を持っていた。技術者としての知識を防災に役立てるには、これしかないと思った。1人で立ち上げた授業。慣れないながらも周囲の協力を得ながら手探りで進めた。授業を始めて7年目の今年、ある変化があった。社内に防災教育のプロジェクトチームが立ち上がった。メンバーは現在24人。いずれも松川さんの思いに共感した人たち。災害は自分事、自然災害が相次ぐ今、松川さんはこの言葉を今後も授業で訴え1人でも多くの命を守りたいと考えている。