北海道・幌尻岳は標高2052m。スプーンで削り取ったような地形はカールと呼ばれ、数万年前に辺りを覆っていた氷河が山肌を削ったことでできた。日差しの強さが増す7月、カールでの雪解けが進み、雪解け水は川となる。雪解けとともに顔を出すのは高山植物。約100種にもおよぶ植物たちが短い夏を彩る。この季節を待ちわびてたかのようにたくさんの生き物が山頂へとやって来る。ヒグマは雑食だが最も多く食べているのは草や木の実などの植物。暑さが苦手なヒグマは溶けずに残っていたカールの雪を食べて体温を下げると考えられている。ここでは親子の姿も見られる。雪が残るカールはヒグマたちにとってかけがえのない避暑地になっている。春から初夏にかけてカールの雪解けで川には激しい流れが生まれる。約2か月に渡る雪解けで川は1年で最も多くの水を湛える。雪がなくなるとヒグマの親子は雪解け水に入って暑さを凌ぐ。
