マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせたマイナ保険証を活用して急病人の救急搬送を迅速に行おうと通院歴や服用している薬などの情報を救急隊が確認できるようにする取り組みが来年度から全国で行われることになった。先行して去年実証実験が行われた神奈川県平塚市の消防本部での実演を見ると救急車にマイナ保険証を読み取る専用の端末が導入されている。受け取ったカードを端末に差し込むと画面に持病の有無、ふだん服用している薬などの情報が表示された。こうした実証事業を去年、総務省消防庁が各地の救急現場で行ったところマイナ保険証を活用したケースは1万件以上に上った。中には救急隊が到着すると現場にいたのは高齢の夫婦だけで情報収集は困難だったがマイナ保険証から通院歴が確認できたケースや患者が息苦しさを訴えていて会話が困難だったがマイナ保険証から掛かりつけの病院が分かったケースもあった。実証実験に参加した平塚市消防本部では2か月間の実証期間中に2900件近い救急出動がありマイナ保険証を活用したのは14.8%だった。これについて総務省消防庁は時代の変化も見極めながら慎重に検討したいとしている。