日本で精神疾患を抱える患者数は約600万人。20人に1人が心の病を抱えている。鹿児島市にラグーナ出版がある。社長の川畑さんが14年前に立ち上げた。従業員43人。この出版社が今、全国から注目を集めている。働くスタッフの8割が精神疾患を抱えた人たち。取り扱う本は精神疾患を取り扱うものばかり。中でも多くの人たちの心をつかんで離さない雑誌・シナプスの笑い。メインを占めるのは全国の精神疾患を抱える人たちから寄せられた投稿作品。切なる思いが綴られている。脳の神経細胞同士をつなぐ結合部がシナプス。このシナプスの乱れが精神疾患の原因と考えられている。シナプスが回復し笑顔が広がるようにシナプスの笑いと名付けられた。企画・製作・販売まで全て精神疾患を抱える当事者が担う世界でも珍しい雑誌。2006年に創刊、年3回発行されている。これまで2万部を売り上げている。シナプスの笑いのコラムを担当する岩井さん。テーマは断る力。心の病を抱えると断ることが苦手になる。その気持を記事にしようとした。岩井さんは4人兄弟の末っ子として生まれた。自然が大好きな少年は植物に夢中で特に蘭の花に心を奪われていた。鹿児島の高校を卒業し広島大学に進学し大学院へ進み研究に没頭した。研究者になった24歳のときに異変が起きた。病名は統合失調症。幻覚や妄想、意欲の低下、至高が乱れる精神疾患。二度に渡り精神病院へ入院。退院後、図書館に通っていた。定職につけないまま20年が過ぎた46歳のときに精神疾患の人たちをサポートしていた川畑さんと出会いラグーナ出版に入ることとなった。ここへ来て9年になる。
