2026年10月6日放送 1:45 - 2:45 フジテレビ

FNSドキュメンタリー大賞
干潟になりたい

出演者
 - 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

干潟になりたい
干潟になりたい

日本で精神疾患を抱える患者数は約600万人。20人に1人が心の病を抱えている。鹿児島市にラグーナ出版がある。社長の川畑さんが14年前に立ち上げた。従業員43人。この出版社が今、全国から注目を集めている。働くスタッフの8割が精神疾患を抱えた人たち。取り扱う本は精神疾患を取り扱うものばかり。中でも多くの人たちの心をつかんで離さない雑誌・シナプスの笑い。メインを占めるのは全国の精神疾患を抱える人たちから寄せられた投稿作品。切なる思いが綴られている。脳の神経細胞同士をつなぐ結合部がシナプス。このシナプスの乱れが精神疾患の原因と考えられている。シナプスが回復し笑顔が広がるようにシナプスの笑いと名付けられた。企画・製作・販売まで全て精神疾患を抱える当事者が担う世界でも珍しい雑誌。2006年に創刊、年3回発行されている。これまで2万部を売り上げている。シナプスの笑いのコラムを担当する岩井さん。テーマは断る力。心の病を抱えると断ることが苦手になる。その気持を記事にしようとした。岩井さんは4人兄弟の末っ子として生まれた。自然が大好きな少年は植物に夢中で特に蘭の花に心を奪われていた。鹿児島の高校を卒業し広島大学に進学し大学院へ進み研究に没頭した。研究者になった24歳のときに異変が起きた。病名は統合失調症。幻覚や妄想、意欲の低下、至高が乱れる精神疾患。二度に渡り精神病院へ入院。退院後、図書館に通っていた。定職につけないまま20年が過ぎた46歳のときに精神疾患の人たちをサポートしていた川畑さんと出会いラグーナ出版に入ることとなった。ここへ来て9年になる。

キーワード
シナプスの笑い 精神障がい体験者がつくる心の処方箋ラグーナ出版厚生労働省広島大学統合失調症鹿児島市(鹿児島)

35年前、法政大学に進学した川畑さんは失恋がきっかけで引きこもりに。休学していた大学生活、仲間たちの支えで半年で戻ることができた。大学を卒業し東京の出版社に6年間勤めた後、故郷・鹿児島へ戻った。心の病を抱えた経験を活かし精神科病院に就職。患者のサポートを始めると精神医療の現実に言葉を失った。そんなとき患者の書いた文章に目が止まった。川畑さんが働く精神科病院で同じ思いをしていた人がいた。精神科医の森越先生。心の病を抱えた人たちの社会復帰をサポートする出版社を作る。こうして2008年、川畑さんと森越先生は患者8人といっしょにラグーナ出版を立ち上げた。狭いアパートの一室から始まった出版社だった。病状に応じて仕事や勤務時間を決め患者に役割をもたせると状況が一気に変わった。出版する本も増え雑誌・シナプスの笑いも注目されるようになった。ラグーナ出版の隣に診療所も作った。森越先生が働くスタッフの心と体のケアにあたっている。ペンネーム・日向葵さん。シナプスの笑いの漫画を担当するほか対談やインタビュー記事をまとめている。ラグーナ出版に勤めて10年になる。入社のきっかけはシナプスの笑いに投稿したこと。仕事で忙しかった父に変わり母の介護をしていた。多感な高校生にとってつらい日々が続いた。20歳になったある日、母の危篤の知らせが届いた。母が亡くなった後、統合失調症になった。救いになったのが辛い体験を文章にすることだった。

キーワード
シナプスの笑い 精神障がい体験者がつくる心の処方箋ラグーナ出版法政大学

ラグーナ出版の営業部・さとるさん。この日は本の配達を行った。精神疾患を発症したのは32歳の時。さとるさんは会社を辞めた。そして1年後、ラグーナ出版にたどり着いた。当初は3時間ほど働けなかった。しかし4年が経ち勤務時間が伸び1人で配達を任されるようになった。2024年、建設会社に転職することが決まった。ラグーナ出版は心の病を抱えた人の社会復帰を目指す就労支援を目的とした出版会社。ラグーナ出版に通う最後の日、ラグーナ出版からの嬉しい旅立ちとなった。この日はシナプスの笑いの看板企画・投稿作品を決める。全国から寄せられた250点の応募作品の中から選んでいく。投稿した田中さん。15歳のときに統合失調症になった。精神科病院で過ごしている。社会との唯一の接点はシナプスの笑いへ投稿することだった。日本の精神科病床は約32万床。世界で最も多い。これは精神疾患の患者を病院の中で見ている現実。一方、世界の潮流は普段の暮らしの中で回復を待つ考えに変わりヨーロッパでは年々、各国が病床を減らしている。田中さんが病院の中で過ごした30年。

キーワード
シナプスの笑い 精神障がい体験者がつくる心の処方箋ラグーナ出版

コラムを担当する岩井さん。精神疾患を持つ自分をコラムにまとめようとしていた。しかし書き続けることができない。心と体のバランスを崩していた。社長の川畑さんも悩みを抱えていた。経営が厳しい状況に追い込まれていた。ラグーナ出版の収入は年間800万円。半分は本の売上、半分はっ国からの給付金。今回の法改正によって給付金は労働時間の長さが重視されるようになった。ラグーナ出版は年間で400万円ほど国から給付金が減った。この給付金の改定で全国の福祉事業所が窮地に陥っている。

キーワード
ラグーナ出版

鹿児島で心の病を抱える人達が集まり意見交換会が行われた。イタリアからも専門家が集まり精神医療のあり方を考える。精神疾患を抱えながら日本の社会を生きていくことの難しさ。役に立つため岩井さんはコラムを書いた。ラグーナとはイタリア語で干潟という意味。多様な生き物が生きていて海も浄化している。傷ついた人が傷ついている人を助けることができる。社会が干潟でありますように。

キーワード
シナプスの笑い 精神障がい体験者がつくる心の処方箋ラグーナ出版

© 2009-2026 WireAction, Inc. All Rights Reserved.