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全国で本屋さんの数が30年前ピーク時から半減し、1万軒を切った。出版不況とも呼ばれるなか、人口およそ2万人の瀬戸内の島ではいまも同じ商店街に三軒も本屋さんが残っている。一軒一軒の日常から見えたのは、島ならではの三者三様のぬくもりと店主たちのやりがいで維持されている出版界の構造的の問題だった。
広島・因島にある3軒の本屋さんのうち、最も古いのが興文館書店。店主の楠見敏樹さんは施設に入った高齢の両親に代わり、店の看板を守ってきた。楠見さんは活字が苦手という致命的な弱点がある。人一倍、お客さんの声に謙虚に向き合い、弱みを強みに変えようとしてきた。特に力を入れているのが学校への配達。定期的に購入してくれるお得意様でもあり、新しい本が子どもたちの教育と文化を支えるインフラにもなっている。店に来るのが難しい常連さんにも出向くようにしている。
高齢の母と息子が営む因島書房。店主の楠見剛さんは道を歩く顔馴染みの常連さんに本が届いたことを駆け足で伝えにいく。本を利用していることが元気に繋がっているとしたらありがたいと話す。本屋さんをやってきて良かったと思うことは、人との出会いだという。妻との結婚も常連さんの紹介がきっかけだった。楠見さんは、賃金や効率を求めているわけではなく、もらっているものが違うから、田舎では本屋さんの形態が残っていると感じている。
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- 因島書房
同じ商店街に三軒の本屋さんが残る尾道市因島。最も賑やかな本屋さんが、せとうち書房。店主の小野ひとみさんは、常連さんのためにケーキとコーヒーでおもてなしをする。いつも笑顔の小野さんだが困難もたくさん乗り越えてきた。常連さんのひとり、濱田国男さんはボランティアでお店を手伝っている。サービスをし過ぎる小野さんのブレーキ役となっている。
因島で生まれ育った小説家の湊かなえさん。いま充実した生活を送れているのは因島で高校卒業まで生活できたからと話す。本を目的としていなくても、足を運ぶ環境がよかったという。高校の近くにあった興文館は、本の思い出だけでなく、時代の空気感や書店内の様子なども一緒に記憶と結びついている。
本の売り上げは実店舗より、配達が上回る状況。興文館書店の楠見さんは尾道まで配達に出掛ける。採算は厳しいが、長い目で見て、行くことによって確実にプラスになっていると話す。島の外まで販路を拡大できた理由は、尾道市で書店を経営していた店主から販路を引き継いだため。興文館書店の年間購入者数はおよそ5000人で黒字だったが楠見さんの表情は晴れない。配達に力を入れないと人件費や光熱費などは賄いきれないという。
日本では書籍・雑誌が年間15億冊以上の流通がある。全国に届けるための巨大な専用施設が東京にある。書店に届く前の仕分けを行っている。担当者は今まで日本の出版文化を支えてきたと自負する。日本出版販売とトーハンは取次事業でそれぞれ巨額の赤字を計上している。トーハンの担当者は、収益配分が全体の8%では販売費や一般管理費が賄えないと話す。物価上昇や本の需要の落ち込みなども合わさり、薄利多売でよかったシステムが逆風にさらされている。経済産業省は書店振興プロジェクトチームを発足。
人口減少が加速する島で本の儲けだけではますます経営が見通せなくなる。興文館書店の楠見さんは、本の売り上げ以外に新たな一手として、フィランドへ雑貨の買い付けに行くことにした。
興文館書店の楠見さんは、本の売り上げを強化するため、フィランドへ雑貨の買い付けに行くことにした。帰国後、店内にフィンランドの特設コーナーを作ったが、その後、多くの商品が残ってしまった。売り上げは1%もいっていないという。蓮見さんのひとり娘である名菜さんは将来、お店を一緒に支えて、仕事をしたいと話す。
楠見敏樹さんが尾道市の商店街にオープンしたカフェ併設のオシャレな書店を訪れた。個人店主が新たに小規模からオープンする“独立系”と呼ばれる本屋さんだった。カフェの利用だけでもできるため、県外の観光客なども来店する。楠見さんは、集客力がない商店街や本というように、人のせいや環境のせいにして逃げていたと話す。春になって、楠見さんの本屋さんには店を手伝う娘さん の姿があった。
