被災後は当座をしのぐための最低限の現金が必要となる。6年前の西日本豪雨で被災した広島県の川崎みささんの場合、住んでいた地区は断水したうえ土砂崩れで道路が寸断され一時、孤立状態になった。十分な備蓄はなく食料や日用品がすぐに必要な状況だった。断水が続く中、近くのスーパーで飲み物を販売していると聞いた。店で使用できるのは現金のみだったが幸い2万円ほど持っていたためお茶やお菓子など急場をしのぐためのものを買うことができた。こうした教訓から川崎さんが作ったのが、ボトルには小銭。ばんそうこうや歯磨きなどとともに持ち歩いている。子どもにも、いざというときに飲み物が買えるよう小銭を入れた袋を持たせている。具体的なお金の備えはどのようにすればよいのだろうか。災害時のお金に詳しいファイナンシャルプランナーの清水香さんに聞いた。ポイントの1つ目は被災直後の備えとして現金を持ち歩くこと。ポイントの2つ目は避難生活に備え、すぐに引き出せる現金を準備すること。避難の際の交通費や宿泊費、日用品などの購入にまとまったお金が必要になる場合もある。最近はNISAなど投資に回す人も増えているが注意が必要。ポイントの3つ目は生活再建に備え保険への加入を検討すること。すでに加入している人も定期的な見直しが必要だ。最後、保険のお話もあったけれども西日本豪雨では水害に対応する保険に入っていなかったため住宅の再建ができなくなってしまった人もいるという。自分たちの住んでいる地域のリスクを知って保険の見直しを検討したりするなど必要な備えをしておくことが重要。