機体をコントロールする術はなく、123便は降下しながら機首を御巣鷹方面へと向けた。そこは2000m級の山々がそびえる山岳地帯だった。山が迫る中、離脱するためにエンジンを全開に。一気に約2100mまで上昇したが、不安定になりまたしてもフゴイドとダッチロールが発生。姿勢の安定性が失われ失速し急降下。時速約500キロで降下したがギリギリで機首を上げ上昇に転じた。山岳地帯でのフゴイド運動だが、クルーたちはエンジンの出力だけで機首を操作する対処法を掴みつつあった。なんとか山岳地帯を越えようと、フラップを出して高度を保つことを考えた。バランスを崩せば墜落するが、フラップを出した。